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転換期を迎えるスイス時計 2021年注目トピック3選!

こんにちは!八王子のリサイクルショップ、買取リッチ東京西八王子店です!

2020年は話題の尽きなかった時計界でしたが、2021年も賑やかな1年になりそうです。
落ち着く気配のない業界の再編成や、新たな時計見本市の登場、広がり続けるスマートウォッチ市場など、気になるポイントがたくさんありますね。
今回は、コロナ後の時計界を占う1年になりそうな、2021年大注目のトピックを3つご紹介します。
どちらもスイス時計に関するトピックですが、時計界全体にかかわる内容です。
時計愛好家の方はぜひ最後までご覧ください。

 

LVMHによるティファニー買収

出典:https://www.tiffany.co.jp/

今年最初に取り上げるべきトピックは、なんといってもLVMHのティファニー買収でしょう。
昨年10月頃に報じられたように、二転三転の果てに買収が成立し、買収額は約1兆80000億円、今年の早い時期にLVMH傘下への加入が決まっています。
一見時計とあまり関係なさそうなニュースですが、LVMHはスウォッチグループ、リシュモングループと並んで時計界を席巻する巨大グループです。
スウォッチ、リシュモンに比べはるかに大きい複合企業体であるLVMHは、ファッション業界全体でみても超巨大コングロマリットであり、過去にはタグホイヤー、ゼニス、ウブロなどの大手時計ブランドを買収しています。
豊富な資金力によって強引とも言える買収の多くを成功させてきたLVMHの動向はファッション業界中が注目しており、中でもグループに属さない独立系企業は、明日は我が身の気持ちでいることでしょう。
高級時計の両雄ともいえるロレックスとパテックフィリップは独立系時計企業の筆頭であり、この数年間、LVMHがどちらかの買収に動くという噂は常に出回っています。
噂の信ぴょう性はともかく、LVMHが実際に動いた買収の多くは成立に至っており、一時期は破談に終わったとされたティファニーとの交渉も、最終的には成功に終わりました。
潤沢な資金だけでなく、仕留めきる交渉術にも長けたLVMHにまったく無関心な独立系時計ブランドは存在しないでしょう。
ただし、ロレックスとパテック両ブランドの、あらゆるグループに属さないというスイス的な姿勢は昔から固く、動くにしてもLVMHにはしっかりとした準備期間と戦略が求められそうです。

 

スマートウォッチの影響は?

出典:https://www.apple.com/jp/watch/

必ずしも買収劇が起こるわけではありませんが、次に業界内の再編成が一気に進むタイミングがあるとすれば、クォーツショック級の出来事が起こった時かもしれません。
現時点でクォーツショック級の出来事を引き起こしうるのは、アップルウォッチ率いるスマートウォッチの存在でしょう。
登場から5年にして売上高でロレックスを抜き去り、5Gなどの通信技術によってまだまだ将来性のあるスマートウォッチの影響力は未知数です。
今のところ、スマートウォッチ市場の拡大による機械時計市場の縮小はないものの、スマートウォッチは機械時計の敵ではないという業界の過剰な反応は危機感の表れにも見えます。

 

ETA製ムーブメントの立場は変わる?

出典:https://shop.swatch.com/ja_jp/

3つめの注目トピックは、ETA社製ムーブメントの供給を巡る話題です。
17世紀頃から分業制によって時計産業を発展させてきたスイスでは、ムーブメントの製造販売で長らく国内トップシェアを誇るETA社の存在はあまりに大きいものでした。
実際、以前のIWC、タグホイヤー、ブライトリングなど多くの大手時計ブランドは、ETA製ムーブメントに品質と価格の両方を依存していたと言われています。
一方、ETA社を傘下に収めるスウォッチグループとしては、優れたETA製ムーブメントをグループ内だけで使いたいという当然の願望があり、2002年には、4年後の2006年をもってグループ外への供給を停止するという声明をだします。
当然スイス中の時計メーカーからはスウォッチグループへの非難が噴出、大混乱期に入るとともに、現在に至る完全マニュファクチュール路線への切り替えが始まりました。
世界中が見守る中、スイスの独占禁止当局にあたるCOMCOが事態の収拾へ動き、2013年、「ETA社はこれまでどおりの供給を2020年まで続ける」という取り決めが成立しました。
端折った部分はありますが、以上が俗に「ETA2020問題」と言われている事件の概要になります。

そもそも、COMCOはETA社の独占状態を解消し、競争を活発化させるため2020年までの期間を設けたわけですが、はたしてETA社の競合になりうるメーカーは表れているのでしょうか?
セリタを筆頭に有力企業はいくつかありますが、大手にとってETA社の代わりの選択肢になるかは疑問です。
1世紀近い歴史のなかで多くの有力企業が合体してできたETA社と対等のメーカーが、たった数年で出てくることはあまり考えられません。
スイスの機械式ムーブメント市場の覇権争いは2021年の注目ポイントのひとつです。

一方、スイス時計メーカーのマニュファクチュール化を進めた点は、スイスブランドの価値を上げたという意味で功績と言えるのかもしれません。
いまやシャネルが自社ムーブを作る時代になっています。
徐々にマニュファクチュールであることが高級時計にとって必要条件になるのでしょう。

「ETA2020問題」を振り返ると、クォーツショック以来の大事件だったと言えるかもしれませんね。
クォーツショックは乗り越えた先にさらなる発展がありましたが、今回もそうなることを願うばかりです。
いずれにせよ、スイス時計史は転換期を迎えています。

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