はじめに
こんにちは!昭島市の買取専門店 買取リッチ東京 昭島中神店 です!
パテックフィリップこそ最高の時計ブランドという意見は、この10年でかなり多くなったように感じられないでしょうか?
かつては影響力のある人物や雑誌によってある種コントロールされていた価値観が、いまはSNSやネットでユーザー同士が価値観をすり合わせるようになったことで、評価がより強固にまとまっているという面があるのかもしれません。
具体的なことで言えば、「上がり時計」という言葉が使われだして以来、パテックの立ち位置も、言葉に合わせて定まりつつあるように感じられます。
この上がり時計には、「時計趣味における究極の時計」「人生で最後に買う時計」などの意味があり、時々でそれが指す意味や時計は違いものの、やはりパテックを指して使われることは多いようです。
そんなパテックが抱える人気モデルは軒並み高騰状態にあり、ロレックス同様、相場の動きには大きな注目が集まっています。
時計市場全体に言えることですが、特に昨年の動きは稀に見る暴れ様でしたね。
今回はパテック随一の人気モデル、ノーチラスRef.5711を特集し、誕生秘話、ロイヤルオークとの関係、現在の高騰などについて見ていきたいと思います。
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ノーチラス誕生の歴史
出典:https://www.patek.com/ja
ノーチラス5711の相場には近年のパテックの人気ぶりがよく表れています。
おそらく、5711によってノーチラスやパテックを初めて知ったという方は少なくないでしょう。
パテックといえばノーチラス、ノーチラスといえば最高の時計というシンプルながら強力な構図によって、ノーチラス至上主義は大きく広まりました。
創業180年を超えるパテックの歴史からすればノーチラスの歴史はまだ浅く、
機械時計がクオーツショックの深刻な影響下にあった1976年に誕生しました。
70年代から80年代は多くの老舗ブランドが時代にあわせてクォーツ時計を作り出した時代でしたが、パテックはあくまで機械にこだわり、スポーツウォッチに活路を見出します。
時計の評価において最も重要ともいえる精度で機械式はクォーツに勝ち目がなく、
当時は宇宙やスポーツなどと絡めたイメージ戦略を採用・強化する老舗ブランドは少なくありませんでした。
高級時計といえば金素材という時代の中でSS製のノーチラスは大きな話題になり、
その完成度の高さと新鮮なラグスポのインパクトによって機械時計復興の立役者となります。
もっとも、その僅か4年前に登場したオーデマピゲのロイヤルオークも、SS製のスポーツウォッチのコンセプトで成功していたので、ある程度の成功は確信していたのでしょう。
ロイヤルオークとの意外な関係?
出典:https://www.audemarspiguet.com/ja/watch-collection/royal-oak/
ロイヤルオークとノーチラスのコンセプトが似てしまったのには理由があります。
機械時計の立場が弱まっている時期に失敗は許されず、成功例を踏襲したこと、そしてなにより、この2つはともにジェラルド・ジェンタという同じデザイナーに手掛けられているというです。
ジェラルド・ジェンタは60年代のオメガ・コンステレーションの成功を皮切りに数々の名作を残している、「時計界のピカソ」と称される天才デザイナーになります。
コンセプト・デザイナー・登場時期と兄弟機とも言えそうなこの2つの比較は非常に面白く、別の機会にやるかもしれません。
2021年はノーチラス5711大高騰の年に
ノーチラスの半世紀の歴史の中で、2006年に登場した5711は最も成功したモデルと言えそうです。
同モデルやパテックの評価を現在の地位に押し上げたモデルと言っても過言ではなく、人気の増加にともない市場価格も右肩上がりの推移を辿ってきました。
特に今年に入ってからの高騰は大きな話題を呼んでいます。
過去1000万を超えたことのなかった実勢平均ですが、1月末頃から急騰、現在は1500万超で高止まりしている状態です。
ちなみに1500万クラスにはポールニューマンモデルことデイトナ6263や、GMTマスターのフルダイヤモデルなどが該当します。
400万の定価を考慮してもぶっとびすぎであり、加速している高級時計の高騰相場を象徴する事件として後世まで語られる出来事でしょう。
コロナ禍の時計界に起きた事件の一つとして時計史に刻みたいですね。
青文字盤廃止が高騰の引き金に
高騰の原因は5711青文字廃止の決定です。
滑り込み需要と販売価格のつり上げによって、生産終了が判明した直後からの急騰になりました。
同時に4月の新作発表で新型ノーチラスが出るのではないかという噂まで出回りはじめており、それまでは現在の高騰状態が続く見込みが強まっています。
昨年の時点で白文字盤の廃止が決まっていたため、青文字盤はタイミングを伺う状況でしたが、昨年中に思い切って買われた方は英断だったかもしれません。
5711に限らず、超人気モデルを買う際の様子見は危険である場合が多くなっています。
今回のパンデミックですらパテック相場へ与えた打撃が短期的なものだったことは、相場の堅さが測れた貴重なデータでした。
同様に5711が受けた影響も薄く、いまやこのレベルの人気モデルに中長期の下落・暴落が起きることはほとんどないのかもしれません。
まとめ
今回の高騰は改めて5711、特に青文字盤の人気を浮き彫りにしたことで、上がり時計としてのステータスを一層強化させたと言えます。
誰もが欲しがる最後の時計というと少々俗っぽいですが、現在の5711はまさにそんな時計の代表格にあります。
これまで様々な場所で「世界一高いSS製時計」というような肩書が使われてきましたが、そろそろ「上がり時計」に統一してもよい時期なのかもしれません。
この記事を書いた筆者:買取リッチ東京 昭島中神店 店長
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