こんにちは、買取リッチ東京です。
2022年12月、ロレックスに関する驚くべきニュースが入ってきたのを皆さんはご存知でしょうか。
その名も「ロレックス認定中古腕時計」、なんとロレックス自身が中古品を販売する計画です。
2022年現在では、まだ日本では開始していませんが、ロレックスの日本語版ホームページにもしっかりと専用のコーナーが設けられており、来年の3月ごろに本格始動すると予告されているようです。
なお、対象となるのは「正規販売店での購入より3年以上が経過している個体」とのことで、すでに廃盤となってしまった旧型も含まれます。
ロレックスの腕時計は、現状どのモデルも人気が過熱するあまり、新品がほとんど手に入らないことでも知られています。
そのため、型落ちした廃盤モデルですらも軒並みプレミア化し、中古市場においては定価以上で販売されているものも珍しくありません。
そういった中古市場に、他でもないロレックス自身が参戦する、というのが今回の計画なわけですが、先に結論を述べてしまうと、この公式中古は従来の中古品とイコールではありません。
実はいくつもの相違点があることがすでに告知されています。
本日はその相違点、および来年春以降に起こるであろう、中古市場の変化について見ていきたいと思います。
具体的な要点としては、これらの図にある4項目です。
ロレックスからの品質保証
まず、1番「ロレックスからの品質保証」。
ロレックスの認定中古は、すべての商品にロレックス自身による保証が付くと明言されています。
日本語版の公式サイトには「2年間の国際保証」がつくことと、その2年間は時計が正常に作動することを保証すると書かれています。
これは中古商品すべてに言えることですが、以前の所有者がどんな使い方をしていたのか、メンテナンスやオーバーホールは行っていたのか、そういった点によって商品の状態は大きく変わります。
そのため中古として販売された商品は、その時点でメーカーによる保証外となるのが一般的です。
しかしながら、これは購入者の視点からすれば、大きな不安要素となりえます。
一方で、今回のロレックス認定中古は言わばロレックス自身による品質のお墨付きが付くようなもの。
事実、ロレックス公式サイトには以下のように説明されています。
「お買い求めいただいた時計が、すべてのロレックス製品に適用される品質基準を満たしていること、そしてロレックスのワールドワイドネットワークのノウハウとプロフェッショナリズムを反映した時計であることを保証します」
ロレックスがここまではっきりと保証を口にするからには、おそらく販売される中古時計すべてを、専門の技術者によってチェックすると思われます。
結果として、購入者側は通常の中古品よりも安心してロレックスを手に取ることができる、と言えるでしょう。
しかしながら、逆に新品だった状態から損なわれる部分というものも存在します。
それが次の「販売時の付属品」についてです。
販売時の付属品
ロレックス認定中古では、購入時の付属品がすべて統一規格となるようです。
公式サイトの記載によると、付属する品物はこちらの図の通りとなります。
まず、ぱっと見で気づくのが、箱やケースの類、そして説明書が無い、という点です。
それに関しては公式サイトにこのような文面があります。
「ロレックス認定中古時計は、専用のポーチに入れられます」
モデルに関わらず専用ポーチとひとくくりにされている点からすると、新品購入時に付属したケース類は付属しない物と思われます。
また、他の付属品に関しても公式サイトによれば、新たに白色のタグと保証カードなどが発行されるとの紹介がされています。
従来の中古販売においては、各リサイクル店が買取を行った場合、新品購入時の付属品も可能であれば同梱するのが常でしたが、ロレックス認定中古ではそういった事が無いようです。
この事実が中古市場の相場にどういった影響をもつかは未知数ですが、確かな事実として新品購入時の箱や付属品を求める場合には、従来通りに一般のリサイクルショップでなければならないと言えるでしょう。
場合によっては純正付属品付きの品物が高騰する可能性もありえます。
続いて、「認定中古の販売時期と販売場所」についてです。
認定中古の販売時期と販売場所
認定中古の販売は、スイス、オーストリア、ドイツ、フランス、デンマーク、イギリスの6か国にて展開中の、ロレックス正規店の1つブヘラで試験的に始まるようです。
実はブランド公式の中古販売そのものは、すでに導入しているメーカーがいくつかあり、ブヘラは、その内のメジャーな12ブランドを取り扱っているお店です。
ロレックスはその経営実績とノウハウを見込んで、試験販売をブヘラからスタートしたのでしょう。
しかしながら、このブヘラは現状日本では展開していません。
来年3月以降に日本でロレックス認定中古の販売がスタートするとなれば、おそらくブヘラ以外のロレックス正規店が請け負うことになるかと思われます。
しかし2022年12月現在、現状で名乗りを上げているショップは確認できていません。
また、買取の順路や方法も案内されておらず、まだまだ日本での先行きは不透明と言えます。
一方で先述の通り、公式日本語版サイトでしっかりと告知がされているのも事実。
何の準備もなくロレックスがこのような事をしているとも考えづらいですので、すでに水面下で準備が進んでおり、来年の頭にサプライズ発表するのでは、という予想も噂されています。
販売価格の設定方法
最後に「販売価格の設定方法」について。
ある意味、今回の話題で最も気になる部分だと思われる方も多いのではないでしょうか。
すでに述べた通り、ロレックスの中古市場は高騰状態にあり、旧モデルであっても販売相場が当時の定価を上回っているものが少なくありません。
仮に、ここでロレックスが定価を大きく下回る価格で中古を売り出したなら、市場の大混乱は必須でしょう。
相場が急下降するものもあれば、逆に買い占めなどが進んで急上昇するものもありそうです。
しかしながら、実はすでに答えは示されています。
前述のブヘラの公式サイトにて、認定中古の販売価格が発表されているのです。
恐らくは、日本においてもそれに倣うものと見るのが妥当でしょう。
気になる販売価格ですが、「従来の中古市場価格と同じか、その上の値段」で販売されているという事が分かりました。
例えば、デイトジャストのRef.116200を見てみると、9,000スイスフランでの販売と記載されていました。
スイスフランは文字通り、ブヘラの本拠が存在するスイスの通貨です。
2022年12月現在では、1スイスフラン=146円前後となっています。
つまり、単純換算では9,000スイスフランは約131万円です。
参考までに、Ref.116200は2000年代に発売されていた廃盤品で、当時の定価は約70万円でした。
もう1つ見てみましょう。
今度はスポーツウォッチのGMTマスターⅡ、Ref.116710BLNRです。
こちらは21,000スイスフラン、つまり約306万円となります。
販売時の定価は約91万円でした。
どちらの場合でも、認定中古の販売価格が定価を大きく上回っているのが分かります。
一方で、ブヘラのカタログを見ていると気になるのが、同じモデルが均一の値段になっている点です。
例えば、先ほどのRef.116200はいくつか複数点がリストにありますが、全て9000フランに統一されています。
これは日本の中古販売サイトでは考えづらい光景です。
通常の中古市場では、同じモデル、同じ年式であっても、個体によってダメージの程度や付属品の有無などが異なり、結果として販売価格にかなりの差が出る傾向があるからです。
推測となりますが、おそらくこの値段設定を可能とするのが、ロレックス自らが、2年もの保証を付けられるほどに徹底したメンテナンスを行うことで、商品のコンディションを一定のレベルまで押し上げている点であると思われます。
この点は、認定中古だからこそと言えるでしょう。
まとめ
本日の内容をまとめると、ロレックス認定中古は特徴として、2年の保証がつくこと、それに伴って本体のグレードが高いことが特徴的と言えます。
一方で販売店が限られるであろうこと、付属品が一新され、当時の物が手に入らない、といった点がデメリットと言えるかもしれません。
そして販売価格に関しては、少なくとも現時点では、中古流通価格から大きく逸脱せず、定価を上回るものが主流となっています。
これらの事からすぐに中古市場に大きな混乱が起こるようなことは無いように思えますが、付属品などの関係で認定中古以外のロレックスが値上がりする可能性もあり得ます。
また一方では、そもそもロレックスが中古市場に参入してきた理由として、現在の中古による価格上昇と、それに伴う買い占めなどによる在庫不足を憂いているからではないか? という見方もあるようです。
つまり最初は大きな混乱が無いようにしつつ、緩やかに中古市場の調整を行うのでは、という可能性ですね。
どちらの可能性もはっきりしたことが分かるのは来年、もしくは再来年以降になるでしょうが、ロレックスの入手方法に関して、従来の新品と中古に続く、認定中古という新たなルートが開発された影響は必ず起きることでしょう。
さて、本日の内容はこれで全てとなります。
来年以降、認定中古の存在が市場にどのような変化を起こすのかをしっかり観察し、大きな変動があった際にはまたお知らせしていきたいと思います。
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