買取リッチ東京 東小金井店です。
今回の記事では機械式時計のスペック表に記載されている「21石」や「石数」はどのような意味があるのか、この石の数は時計の精度にかかわってくるのかを解説します。
石数とは
機械式時計のスペック表を見てみると21石、18石などの記載を見つけることができます。
この石数とは、機械式時計のムーブメント(機械部分)内に使用されている宝石の数を指します。
石には主にルビーが使用されます。シースルーバックル、通称裏スケの腕時計から見えるピンク色の石がまさにルビーです。
機械式時計は、ムーブメントの本体となるプレート状の「地板」にゼンマイや歯車など様々なパーツを組み込んでいきます。
そして歯車の軸となる部分を「受け」と呼ばれる部品で挟み込みこんでいます。その歯車の軸と地板や受けが接触する部分にルビーが設置されています。
このルビーは部品の摩擦や磨耗を減らす役割を果たしています。
機械式時計の歯車が回転する際に、軸が地板との間に摩擦が生じるため、その部分にルビーを設置することで摩耗を軽減し、ムーブメントの正確性や耐久性を向上させるのです。
ルビーが使われている理由。今は人工ルビーも一般的
ルビーは非常に硬く滑らかな表面を持ち、摩擦や磨耗に強い特性であることからムーブメントの部品の一部として選ばれました。
数値としては最も硬い石として名高いダイヤモンドのモース硬度10に次いでルビーやサファイアは9。
また、熱伝導性に優れているため、ムーブメント内で発生する熱を効果的に分散させる役割も果たします。
なお、近年では天然のルビーとほぼ同じ特性をもつ人工ルビーの使用が一般的です。
人工ルビーは天然石と比べて製造コストが抑えられるため、大量生産に適しているという利点もあります。じつはロレックスも人工ルビーを使用しています。
ただし、一部の高級時計やコレクターズアイテムなどでは、天然ルビーが使用されることもあります。
さらに、サファイアやダイヤモンド特別に使用している特別モデルもあるようです。
石の平均的な数はいくつ?多いほうが精度は高い?
石数の平均的な数は時計の種類やブランドによって異なりますが、一般的には手巻き時計で17石、自動巻き時計であれば21石から25石程度が一般的です。
機械式時計の基本的なムーブメントのパーツ数はメーカーやモデルでほぼ変わらないため、石数も大体がこの数で収まります。
ただしクロノグラフやムーンフェイズなど複雑な機能を有した時計であればその分使用するパーツおよび石も増えるため、30石を超えることもあります。
そのため、石数が多いほうが精度は高いか?というとそうではなく、必要だから増えたという方が正しいです。
1960年代では石の数が多い時計は高級時計、という世間のイメージが強かったため、必要のないところにルビーを使って腕時計の高級感を演出したモデルが多く発売されました。
現代ではパーツが多くなれば手間も素材費用も掛かり石数か増えるので、どちらかというと石数が多い時計=機能が多い複雑時計、結果的に値段が高い、といえるでしょう。
番外編 実は電池式時計にも使われている石
実は、電池式時計の内部にも天然石が使われています。
そう、電池式時計がクオーツ時計と呼ばれる由来になった水晶です。(水晶は英語でクオーツといいます)
水晶は電圧を加えると一定の速度で振動する特徴があります。
その性質を利用し、内部機能に利用することで正確な時間を刻む一助になっています。
100石?!石の数が多いモデル3つ
時計の機能が多くなればなるほどパーツを多く必要とし、結果的に使用する石数も多くなります。
今回は複雑機構を搭載した石数が多いモデル2つ、60年代の多石ブームけん引した有名モデルを1つご紹介します。
パティック・フィリップ グランド・コンプリケーション
世界3大時計として知られる同社は超複雑時計を得意とするメーカーです。
例えば、グランドコンプリケーションシリーズは三大複雑機構である永久カレンダー、トゥルービヨン、ミニッツリピーター搭載したコレクションです。
このシリーズに搭載されたムーブメントは、個々の機構を搭載するのも難しいとされる、うるう年も加味した100年間日付がずれることのない永久カレンダー、時刻を鐘の音で知らせるミニッツリピーターなどの機能を余すところなく備えた芸術品級。
2023年現行の300 GS AL 36 750 QIS FUS IRMは時計の裏と表が回転し、分針とムーンフェイズストップウォッチなど使用頻度の高い表示を表面に、カレンダー機能を裏面に設置したダブルフェイスを採用しています。部品総数は1366、石数は108個です。
オーデマ・ピゲ CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ
パティック・フィリップと並び世界3大時計のオーデマ・ピゲ。
8角形のベゼルにビス止めが特徴的のモデル、ロイヤルオークで有名な高級時計ブランドです。
今回ご紹介するのはクラシックシリーズのCODE 11.59 バイ オーデマ ピゲです。
そのなかでもプルトラコンプリケーション ユニヴェルセルRD#4は23この複雑機構を搭載しています。
ムーブメントは1000以上のパーツを使用していることからキャリバー1000と名付けられ、90の石を使用しています。
文字盤から内部の機構が見えるデザインで、複雑な内部とプッシュボタン3つの時計愛好家の心を鷲つかみにします。
オリエント グランプリ100
オリエントはシチズンやセイコーにならぶ国産時計メーカーです。
1960年代から1970年代にかけて、オリエントは手頃な価格で高品質な機械式時計を提供することに力を入れました。
1960年代は石が多ければ高級時計というブームがおこり、必要のない部分に飾りとして石をつけた腕時計が多く販売されました。
その中でもオリエントのグランプリ100は人工ルビーを100こつけた国産で最も多い時計として有名です。
ローターの部品接続がない部分な、ど素人が見ても必要ないだろう!と感じる部分にも石が取り付けられていますが、当時は意外にも人気があったようです。
まとめ
今回は腕時計の石数についてご説明しました。
まとめると
・石数は手巻きが17、自動巻きが21~23が平均。
・石数が多いから精度が高いのではなく、時計の機能が多いと結果的に石が多くなる
・裏スケ時計で観察できるピンクの石はルビー
石数は時計購入の際の重要ポイントではありませんが、知っておくと面白い知識ですね。
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