2023年4月のロレックスのカタログからミルガウスが姿を消しました。
数年前から時計業界のロレックス新作予想で、ミルガウスは今年こそはリニューアルか廃盤か、と言われ続けていたので、今回の廃盤では「ついに廃盤か・・・」感じた方も多いのではないでしょうか。
今回は
・なぜミルガウスが廃盤になったのか
・2015歴代モデルの価値の推移
をご紹介します。
ディスコン理由:個性的すぎて人気が出なかった
ミルガウスは現行時でも、ロレックスの不人気モデルとしてネット上のランキングに名前が載っていることもありましたが、16年続いたシリーズなので一定のファンがいることは確かです。
しかし、サブマリーナやエクスプローラー、デイトナ、シードゥエラー、GMTなどに比べれば、多くのコレクターのコレクションのラインナップに入りませんでした。
購入希望者が減った理由として挙げられるのが、ミルガウスの個性的なダイヤルとイナズマ針です。
とくにグリーンサファイアクリスタル風防のグリーンが目立って服装に合わない、と感じている人は多いようです。
イナズマを模した針はミルガウス固有のユニークなデザイン。こちらが最も好みを2分してしまう要素のようで、イナズマ針がおもちゃみたいというネガティブな声が多いです。
一方で、ミルガウスオーナーの購入エピソードとして、特に買う気はなかったが、実物を見たらかっこいいと感じたというパターンも少なくないようです。
廃盤の理由2:高耐磁時計のライバル登場
こちらも一般的に指摘されることの多いミルガウス廃盤の根拠です。
特にオメガの耐磁時計はミルガウスの1000ガウスの耐磁性能をはるかに超える、15000ガウスに耐えられるムーブメントです。
オメガも縞柄の個性的な針を持つ高耐磁性能に特化したモデルを販売していましたが、近年、高耐磁機構をほかのシリーズにも搭載し始めました。
オメガではスタンダードスペックとして耐磁性能を売り出せるのに対し、耐磁性能だけをメインに売り出しているロレックスは不利な状況になりました。
歴代ミルガウスの系譜
結局のところ皆さんが気になるのは今ミルガウスの価値がどのくらいなのか、これからどのくらい上がるのか、という点であると思います。
今回は4桁アンティークモデルの紹介と、5桁モデルの紹介と価格推移をご紹介します。
1958年~1960年代 Ref.6541
1958年に登場したのが初代ミルガウスRef.6541です。
スムースベゼルと回転ベゼル付きと2タイプが存在します。
文字盤はサブマリーナのようなドットのインデックスとダーツインデックスの組み合わせでできており、カラーバリエーションは黒のみ。
ドーム型の強化プラスチック風防、リベット巻きのブレスがまさしくアンティークの様相です。
1960年代~1980年代Ref.1019
1960年代にはリニューアルされたミルガウスRef.1019が販売されます。
特徴だったイナズマ針は廃され、太めの針にバーインデックス、ポリッシュベゼルにモデルチェンジしました。
文字盤はシルバーダイヤルとブラックダイヤルが存在します。
オイスターパーペチュアルやエアキングなどのドレスウォッチとデザインの差別化ができず、前モデルに引き続き人気が出ませんでした。
80年代後半には廃盤になりました。
黒文字盤は流通量が少なく超レアモデルです。
2007年~2023年 Ref.116400 黒、白、GV2種
前回の廃盤から20年、2007年にイナズマ針を備えたミルガウスが116400として登場しました。
外観は前モデルをベースにし、初代のイナズマ針を復活させたことで話題を集めます。
定番のブラックとホワイト文字盤に加え、アニバーサリーモデルとして黒文字盤にグリーンサファイア風防を付けた116400GVが加えられました。
さらに、2014年に116400GV Zブルー文字盤にグリーンサファイア風防のモデルも発売されました。
ただ、黒文字盤と白文字盤の人気が伸びなかったのか、2015年 黒文字盤、2016年 白文字盤が廃盤になりました。
この2種類が廃盤になることで、2016年から2023年3月末まで、黒文字盤×グリーンサファイア、Zブルー×グリーンサファイアの2種が正規店で販売されることになります。
116400シリーズの価格推移
116400黒文字盤
落ち着いた黒文字盤はスーツやフォーマルにも合わせやすく、無難に使える時計として購入される方が多い印象です。
2015年のディスコン後特に値上がりする様子もなく、2018年は50万円の価格、2019年に中古価格がやや上向き60万円代になりました。
2020年は70万円代を記録し、2015年販売定価に到達しました。2022年は90万円まで値上がり。ミルガウスディスコン確定の2023年4月は100万円代に上りました。
116400白文字盤
日本ではトロピカルマンゴーというニックネームで親しまれています。
2016年の生産終了後、特に市場変化はなく新品中古品ともに50万円代で取引されています。
2018年に60万円代、2019年に70万円代になりました。
白文字盤はここからの高騰が激しく、2020年には新型コロナウイルスの影響を受け、100万円代、2021年に160万円代、2022年には180~200万円代になりました。
生産されていた間は不人気モデルだったこともあり、流通量が少ない白文字盤に人気が集まったと思われます。
116400GV 黒文字盤/Zブルー
グリーンサファイアクリスタル風防はロレックス独自の技術で作られた緑色のサファイアクリスタル風防です。
GV黒文字盤で使用されている文字盤は通常の黒文字盤と異なり、オレンジのミニッツがプリント、369のインデックスは黄色でカラーリングされています。
GV黒文字盤の発売当初は限定モデルではないかとのうわさもあり、取引が200万円近くなったこともありました。
グリーンの美しさはもちろん、3種類の中でGVの人気は圧倒的でした。
Zブルー文字盤は白いインデックスで、何とも言えないブルーと風防のグリーンが見事に調和した美しい外観です。
2016年にはミルガウスと同じ耐磁性能を持つエアキング116900が登場して、耐磁性能が売りといいにくくなったミルガウスはデザインで勝負しているように感じます。
過去の情報によると、2018年ごろには並行輸入平均額が定価の70万円に近付く勢い。
2019年頃は正規店店頭で陳列を確認する回数が減った、入荷数が減少しているという噂が始まるようになりました。
実際に数十回マラソンして購入できた方もいるようです。そのためか、並行輸入価格は定価越えの80~90万円代を記録しました。
2020年に100万円、2022年4月の新作発表の前は2000万まで上昇しました。そこから年末まで140万まで落ち込み、2023年の廃盤で180万まで価格が回復しました。
なお、黒文字盤からZブルー文字盤のダイヤル交換ができないことからZブルーの方が中古相場は高めです。
まとめ
116400GVの急激な価格の上昇はミルガウスの魅力が多くの人に理解され人気が上がったからというより、他のシリーズでも見られるようにディスコンや正規店の入荷数が減ったことで並行輸入品の価格相場が上がったものと考えられます。
今後116400GVが、ロレックス唯一のグリーンサファイアグラスモデルとして中古市場でどれだけ希少価値が見いだされるか気になりますね。
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