今回はインゴットの基礎知識と、購入から売却、税金についてご紹介します。
インゴットとは
インゴットとは、英語で”ingot”＝金属の塊という意味です。
名称の通り金属を型に流し込み固めた金属の塊を指します。
インゴットと言ったら金のインゴットを想像される方は多いのではないでしょうか。
しかし、インゴットの種類は金だけでなく、銀、プラチナ、パラジウムもあります。
金の場合は「金のインゴット」、銀の場合は「銀のインゴット」と呼びます。
日本語では、インゴットは「金地金（きんじがね）」、「金の延べ棒」、「ゴールドバー」、「金塊」と表現されます。
インゴットのサイズ
インゴットは基本的に大きさでは、重量で判別されています。
また、12.5kgから1gまで重量別に11種類が製造されています。
重い順に、12.5kg 、1kg、 500g 、100g、 50g、 20g、 10g、 5g、 2g、 1gです。
12.5kgはラージバーと呼ばれ、金の国際市場で取引されるタイプのもので、各国の銀行金庫としての取引が主です。
1㎏～100gが最も一般的なサイズで、資産運用として利用されています。
50g～1gは、個人の資産運用や賞品、記念品として利用されることが多いです。
チェーンを付けてペンダントにしている方もいます。
また、重量だけでなく、製造方法でも見た目の違いが出てきます。
製造方法は2種類で、金を型に流し込んで作った「モールドタイプ」、金を圧縮して精製した「プレスタイプ」があります。
モールドタイプの形はまさに皆さんが想像する「金の延べ棒」です。20～50g以下はプレスタイプが多いです。
刻印の見方
インゴット本体には製造元や重さなどの商品情報が刻印されています。
後ほど説明する国内の有名なブランドであれば、以下の情報は必ず記載されています。
・ブランドマーク
・シリアルナンバー（金塊番号）
・重量
・品位
ブランドマークとは製造したメーカーのブランドロゴのことです。
そしてシリアルナンバーとは、製造ブランドが製造・販売の管理のために付与している番号です。
ブランドの中ではそのインゴット固有の番号になります。
品位とは金の純度のことを表します。100に近い数字であるほど純度が高くなります。
購入はどこでできる？
金の購入には実店舗からネット購入まで様々な方法があります。
店頭で購入する
国内には金属メーカーや地金商、銀行の店舗で購入するという方法です。見積もりを立ててもらい説明を受けることができるので安心です。店舗はデパートの中にも見つけることができます。
電話購入
金属メーカーや地金商に電話をかけてその場で申し込みをすることができます。後日請求書が郵送され、入金後にインゴットが送られます。メーカーによっては電話相談も行っているので、店舗と同じくらいの安心感があります。
ネット購入
ネットでも金を購入することができる時代になりました。
販売金額や手数料などを簡単に確認できるのがメリットです。
ネットの上では詐欺サイトなどもあるため、信用ある販売元のサイトを選ぶことが大事です。
現物で100ｇ以上の購入をお考えの方は保管方法も検討する必要があります。
自宅の金庫で保管するなら利用料はかかりませんが、貸金庫を利用する場合は金庫の利用料のランニングコストも考慮しどのくらい金を買うか検討しましょう。
純金積み立て
純金積み立ては金属メーカーや地金商、銀行に毎月一定の金額を支払うことで金を購入する方法です。
手元で金を保管する必要がありません。
保管手数料はかかってしまいますが、貯金感覚で小額から始められることから人気があるようです。
金のETF
金のETFとは金価格と連動するように設計された投資信託で、株価のように金の売買をすることができます。
分散投資の一つとして利用されることが多いです。
現物ではないため保管手数料がかからないのがメリットですが、株式と同じく売買手数料はかかります。
買うなら国際ブランドのインゴット
もし現物のインゴットを購入するなら、国際ブランドのインゴットがおすすめです。
国際ブランドとは、世界レベルの厳しい基準に達した金を製造するメーカーに与えられる認定のことです。
そのメーカーが製造したインゴットは「グッドデリバリーバー」と呼ばれます。品位は99.99％と定められています。
同じ純度と重量でもその信頼性から買取金額に差が出る場合もあります。
以下のブランドが日本国内の国際ブランドとなります。
・三菱マテリアル株式会社
・田中貴金属工業株式会社
・三井金属鉱業株式会社
・住友金属鉱山株式会社
・日鉱金属株式会社
・株式会社 徳力本店
・同和鉱業株式会社
・石福金属興業株式会社
・松田産業株式会社
・アサヒプリテック株式会社
売却はどこでできる？
金を購入する際は、何らかの理由で束なさなくてはならないことを考えて、売却方法を知っておく必要があります。
・購入した貴金属メーカーに売却する
自社製のインゴットを買取しているメーカーがほとんどです。
シリアル番号で認識も可能なため、重量があるものだと最も手間がかからないかもしれません。
しかし、郵送に対応していないメーカーもある為、遠くにしか店舗がない、時間の都合が合わないという方は近隣の買取業者がお勧めです。
買取業者に売却する
近隣の買取業者に持ち込んで買取してもらう方法です。
自分の時間に合わせて売却することができます。
近所の買取業者であれば、数百万のインゴットを長距離運ばなくて済みます。
見積もりだけ立ててもらうことも可能なので、売却金額を見てから売却するかどうかも検討することもできます。
純金積み立ての場合
純金積み立ての場合、契約を解約することになります。
そして、積み立てた金の時価の金額が口座に振り込まれます。
また、契約先によっては積み立てた金の分の現物を受け取ることもできます。
金のETF
窓口で売買している場合は、証券会社の窓口で、インターネットの場合はその日や指定した日に売ることができます。
もちろん売りにかけても指定した金額で売れるとは限りません。
金のETFは現物に変換できる商品もあります。
証券会社によっては現物に変換可能な商品であっても一定の金額を超えないと変換できない場合もあるようなので商品の内容をしっかりチェックしましょう。
税金
最後に金の購入、売却にかかる税金についてご説明します。
購入には消費税がかかる
金を購入する際には消費税が10％課税されます。購入する金の金額に10％上乗せされた金額で金を購入することになります。
購入の申告は必要ありませんが、領収書や購入証明書は必ず保管してください。売却時の納税金額の計算に必要になる為です。
売却益の額によって所得税がかかる
金を売却した際に出た利益「売却益」が譲渡所得の控除額を超える場合に納税の義務が発生します。控除額は50万円です。
自身の売却金額に課税されるかの計算方法は以下の通りです。
金を購入したときの値段－売却金額＝売却益（譲渡所得がかかる金額）
譲渡所得には年間で50万円の控除があるため、他の譲渡益と合わせて控除額を下回る場合には課税されません。
例）インゴット50万円分を購入－38万で売却＝12万の売却益
この場合は50万の控除額を超えないため、譲渡所得の納税は不要、確定申告も必要ありません。
金のETFにかかる税金については別記事で解説していますので、そちらをご確認ください。
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